申立の呼び出しに応じないのは調停=裁判という誤解から

調停離婚について申し立てを考えておりある程度の内容を把握していても、相手側が細かな内容を把握しておらず裁判のようなものだと思っているケースがあります。
そうなると調停を申し立てた上で相手への呼び出しがあっても、この呼び出しに応じずいつまでも調停が進んでいかないというケースもあるでしょう。
どうしても相手が調停を嫌がっている場合には調停ができないかというと、そうではありません。

【調停の申し立てに相手の合意は必要ない】

まず協議をしていてもしっかりと話ができない場合には調停の申し立てを考えるのは誰でも同じです。
しかし、申立てをする際に相手側の合意を得ていなければ、調停の申し立てができないと思っている人もいます。
調停の申し立てに関しては、相手の合意を得る必要はなく独断で行うことが可能になっています。
これにはしっかりとした理由があり、夫婦間で協議を行っている相手には万が一調停に申し立てを行っても出向かないと言っていた相手側でも、裁判所からの呼び出しには応じるといった可能性があるからです。

【裁判所からは何度も呼び出しが行われることになる】

実際に相手側の合意を得ることができず、調停の申し立てをした後は裁判所から直接相手側に出頭の呼び出し通知が届くことになっています。
これは一度だけではなく、何度も呼び出し通知が届きますので相手側は知らん顔ができないようにすることになります。
再三にわたり呼び出しに相手が応じなかった場合には家庭裁判所から調査官が直接足を運んで本人を説得するような形になります。

家事事件手続法第51条に、事件の関係人の呼び出しというものがあり、家庭裁判所が家事審判の手続の期日に事件の関係人を呼び出すことができるというものがあります。
さらに、こうした家事事件の関係人は家事審判の手続の期日に出頭しなければならない。ただし、やむを得ない理由があるときは代理人を出頭させることができる。
そしてもうひとつに、前項の事件の関係人が正当な理由なく出頭しないときは家庭裁判所は5万円以下の過料に処することができるといった決まりがあります。

そのため家庭裁判所から調査官が出向き説得してもなお、調停に出頭しないようであれば、相手側には5万円以下の過料が処せられることとなっています。

【相手が出頭しない期間が長引いた場合】

どのような手段を使っても相手が出頭せず、調停の話し合いができなかった場合には、結果的に調停が不成立となります。
最終的には調停を取り下げるしかなくなり、調停離婚への希望がなくなるため、その後は審判の申立や訴訟をすることになっていきます。
ただし審判の申し込みをする際には原則的に調停が不成立の場合といった決まりがありますので、まずは調停を申し立てて、相手を呼び出すことが大切です。
どうしても相手が出頭しないという場合には弁護士を代理人として出頭させることが可能になっていますので、こうした部分についても、相手方に対して一度伝えてみると良いです。
もちろんこの場合には相手側が弁護士に対しての費用を支払わなくてはならないので経済的に難しいケースもありますが、調停を進めていくためには、こうした部分での努力を惜しんではいけません。

必ず自分が出頭しなければならないと思っている場合には特に出頭を拒む事も多く、弁護士が代理人になってくれることを知らない人もたくさんいるようです。

【調停に対する認識違いもある】

最初にも書いたとおり、離婚調停というのは裁判そのものだと思っているような人もいます。
またこの他には間違った認識をしている部分もあり

  • 調停で配偶者と顔を合わせなければならない
  • 思うように、これまでの婚姻生活への不満等が言えない
  • 婚姻生活の中で自分の悪かった部分を強く指摘されてしまう
  • しっかりと話を聞いてもらうことができない

などといった偏見やイメージから調停には出頭しないという人もいるようです。
しかし実際の調停というのは裁判ではなく一人一人が個人的に様々な事情を話す場となりますので双方が顔を合わせる必要はありません。
またプライバシーもしっかりと守られますので自分の伝えたいことを冷静に伝えることが可能になっています。
こうした部分で認識違いがあるとそれだけで調停には出頭したくないと相手側が思い込んでしまうこともありますので、双方で話し合いができたり、連絡が取れるようであれば、このような分野の認識違いをしっかりと対話しておくと良いでしょう。

もちろん出頭しなかった場合に、調査官が出向き、このような部分についても細かく説明してくれます。
説得によって出頭するというケースも非常に多く、そこでようやく調停での話し合いができるようになるというご夫婦もいます。

【相手が出頭せずに調停不成立となってしまった場合には】

前述のように再三に渡る呼び出しに応じず、相手が出頭しなかった場合には離婚訴訟について家庭裁判所に対し提起することができます。
まずはこうなる前の段階で調停で話し合いができるように調停の申し立てや再三の呼び出しも行いますが、そこでもしっかりと話し合いができなかった場合には離婚訴訟を頭に入れていくようにしましょう。
また離婚調停の内容に関しては、離婚そのものだけではなく、親権者の決定をするといった部分や財産分与、慰謝料、養育費等に関しても話し合いをすることができるため、このような部分について相手が出頭せず、話し合いに応じなかった場合にも最終的には裁判を行うことになります。

また調停の申し立てをした後には配偶者と連絡をとってはならないなどという決まりはありませんので双方で話し合いをすることも可能になっています。
その中で協議によって離婚を成立させることができれば調停の取り下げを行い、協議離婚として離婚届を提出すると良いでしょう。
離婚調停は相手が出席しない状態で裁判のように欠席裁判が行われたりすることはありませんので、あくまでも相手も出席した上で双方での言い分に対し合意することがなければ離婚成立にはならず、不成立ということになります。

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