財産や婚姻期間は必ずしも慰謝料額とリンクしない

離婚時の慰謝料は、一概に決められているわけではありません。
例えば婚姻期間が何年、離婚する理由が何々、と決められていればとても簡単に慰謝料を算出することができるのですが、夫婦には様々な事情があり離婚するために、ケースバイケースとなっています。
婚姻期間が長く、離婚に至った熟年離婚の場合には、それだけで慰謝料が多いと思われている部分がありますが必ずしも熟年離婚だからといって慰謝料が大きくなるわけではありません。

【有責事由があると、もっとも慰謝料は多くなる】

夫婦どちらか一方の不貞行為はじめとして暴力行為等に関しては、有責事由となりますので、慰謝料の金額も比較的大きくなります。
もちろん不貞行為や暴力に及んだ期間も考慮されることになりますが、相手に対しての精神的苦痛は非常に大きなものと判断され慰謝料も高く算出される傾向にあります。
また、悪意の遺棄についても法定離婚事由となっているため、慰謝料の請求が行えるのですが、どの程度悪意の遺棄があったのかについてが問われることになります。

例えばどちらか一方に悪意の遺棄があったとしても、もう一歩に配偶者が悪意の遺棄をしたくなるような原因があると判断されれば最終的な慰謝料の金額は少なくなります。

妻が全く家事や子育てをしないわけではないものの、たびたび食事を作らない時があったり家の中が散らかっていて、夫が掃除を促しても十分な掃除をしなかったなどということが理由になり、最終的に事が家を出て別居状態になった場合などは夫側だけに悪意の遺棄が決定するわけではなく、夫が悪意の遺棄に至った理由の中に妻の不誠実な生活態度があったとされますので、妻側が慰謝料請求を行っても夫から支払われる慰謝料は少なくなります。

夫婦の離婚に至るまでにはそれまでの婚姻生活で、どちらか一方が非常に強い我慢を強いられていたと言うケースと、突発的な喧嘩から離婚まで至ってしまうケースがあります。
暴力や不貞行為、その他悪意の遺棄などについて長期間にわたり夫婦のどちらか一方が常に我慢をしていた生活があり、最終的に離婚に踏み切ったというケースではそれだけ長い期間、精神的な苦痛を味わっていますので、慰謝料も大きくなります。
反対に突発的な喧嘩から離婚に至ったというケースでは、お互いに我慢をしていたり不満を抱えた状態であるため、双方で慰謝料の請求をするような事があり、ここではお互いが生活態度が考慮された上で慰謝料が相殺されることもあります。

【貯金など財産が多ければ慰謝料も多くなるのか】

慰謝料請求をされる側がたくさんの特有財産を持っていたり、銀行での預貯金に関しても非常に多額の貯金があるなどの場合にはその分たくさんの慰謝料が請求できると思う人もいるようですが、あくまでも慰謝料というのは相手の財産から考えられているものではなく、離婚に至った有責事由等に対し、これまでの過去のケースから算出されるものとなっています。

芸能人などの場合には離婚会見を開いた際に慰謝料が何千万円とか何億万円などと言われる事がありますが、これは大げさに伝えられているだけで慰謝料そのものだけでこれだけの金額が支払われるといったケースはほとんどありません。
双方で財産分与などを行った結果このような金額が報道されていると思っていた方が良いでしょう。

【支払う側が離婚を急ぐ場合には慰謝料が高くなる?】

近年では有責事由を作った側からでも離婚を申し出ることができるようになっていますが、相手が離婚に応じなかったという場合にはできるだけ早く離婚に応じてもらうため、慰謝料の金額をあえて高くするというケースがあります。
このような部分については協議離婚をするケースだけではなく、調停離婚をするケースなどでも用いられています。
反対に離婚を言い渡された側としても一般的な慰謝料の相場より高い慰謝料によって、離婚に応じると言ったケースもあります。

上記のように、それぞれのご夫婦が離婚する際の理由そのものは似たようなものであっても、また婚姻期間が似たようなものであっても支払われる慰謝料の金額については千差万別ということになります。
もちろんある程度は過去の事例などを参考にしますが、それで本人同士が合意するかどうかに関しては当然ながらそれぞれのご夫婦によって違いがあります。
慰謝料請求をする時には実際の離婚経験者などに聞くのではなく家庭裁判所をはじめとして弁護士など多くの経験を持ち、様々な離婚のケースを把握している人に聞いてみると良いでしょう。

調停や裁判では慰謝料の金額がしっかりと決められますが、その前の段階でどのくらいの慰謝料請求ができるのかについては弁護士に聞くのが1番と言えます。
その中で慰謝料を増額できるようなポイントがあれば、そういったポイントに力を入れながら離婚に向けての話し合いを進めていくことで慰謝料の金額に納得できる可能性も高くなります。
焦りが先に出てしまうと慰謝料問題で損をすることもありますので、2人で話し合いを重ね、最終的な金額を決めるようにしましょう。

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