年金加入者の区分が鍵!年金の財産分与について

近年では熟年離婚が増えていますが、熟年離婚であればあるほど離婚する際の財産分与の対象として年金が大きくなるなどと言われています。
そのため一部では65歳は過ぎてから離婚した方が良いなどという意見も聞きますが、実際には65歳を過ぎてから離婚したところで特に妻側に支給される年金額は少ない傾向にあります。
夫婦が離婚する際の財産分与の対象には年金も含まれてくるのですが、それには様々な条件などがあるためしっかりと把握しておかなくてはなりません。

まず年金加入者には第1号から第3号までが分かれており、これについて自分がどこに当てはまるのかを知る必要があります。

【年金加入者の区分について】

第1号被保険者

20歳以上60歳未満である自営業を営んでいるなど国民年金のみに加入している立場の方の人は第1号被保険者となっています。

第2号被保険者

民間会社員をはじめとして雇用されている70歳未満の人を第2号被保険者といいます。厚生年金や共済年金に加入している場合にも第2号被保険者となっています。

第3号被保険者

専業主婦をはじめとして、第2号被保険者の被扶養配偶者になっている場合には第3号被保険者としての扱いになります。

上記のように三つの被保険者に分かれているのですが、離婚するしないに関わらず、第2号被保険者の場合には支給年齢が来れば自動的に年金が支給される仕組みになっています。
厚生年金をはじめとして、その他にも国民年金や共済年金などがそれぞれ支給されます。
また婚姻関係を結んでいると、第3号被保険者の場合には第2号被保険者が受給する年金以外にも第3号被保険者として加給年金の受け取りが可能になっています。

【実際に離婚する際対象となる年金について】

前述の通り第2号被保険者の場合には離婚するしないに関わらず年金を受け取ることができますが、それまで主婦であった第3号被保険者が離婚する際には対象となる年金は前述の加給年金、そして振替加算が基本となります。

【振替加算とは何か】

振替加算というのは前述した加給年金に加えて、妻である立場の第3号被保険者が老齢基礎年金を受給する際に上乗せされる金額となっています。
金額そのものに関しては加給年金ほどではありませんが昭和41年4月2日以前に生まれた人であれば、多少なりとも振替加算に期待することができます。
夫が厚生年金に加入していて婚姻期間中の生活を送っていた場合には振替加算を利用することによって、妻側はこれまで支払ってきた老齢厚生年金の一部を受け取ることができます。
加給年金に対して、振替加算が行われ、振替加算の名義が妻になれば夫婦が離婚しても、ここでの支給額そのものが妻名義となりますので、直接妻が受け取ることができます。

しかし、最初にも書いたとおり、ここでの支給額そのものは大きなものではありませんから、離婚後妻の生活が厳しくなってしまうようなことも考えられます。
離婚する際の年金分割が原則的に女性側の年金額が非常に少なくなってしまうことから平成19年4月1日には「合意分割制度」、平成20年4月1日には「3号分割制度」が導入されました。

【合意分割制度について】

年金分割の合意分割というのは、婚姻期間中、夫が厚生年金の保険料を納めていた場合には、納めた年金の半分を将来的に妻名義の年金として受けられる制度になっています。
対象になるのは老齢厚生年金退職共済年金となっており、老齢基礎年金に関しては対象ではありません。
支払ってきた年金に対して二分の一を上限にした上で受け取るものです。
しかしこの場合には名称にもある通り、夫側の合意がなければ、妻が離婚した後年金を受け取ることができませんので、夫の合意を得る必要があります。

【3号分割制度について】

婚姻期間中には主に妻が第3号被保険者となりますが、第2号被保険者となっていますが、夫が支払っている厚生年金の記録そのものも夫と妻で分割するといったものになります。
こちらに関しては平成20年4月以降の婚姻期間であれば、夫の合意なしに年金記録を分割してもらうことができます。
平成20年4月以前の部分に関しては合意分割制度を利用することになっています。

【離婚する前に年金分割のため情報請求することができる】

離婚を考えた場合、最終的には上記のように年金分割を考慮しなければなりませんが、これまでに納めた年金の金額や期間などを配偶者に内緒で知りたいといった場合には日本年金機構に情報提供の請求が行えるようになっています。
妻が夫の年金情報を請求した場合であっても夫にはしられずに内緒で取り寄せることができます。

【3号分割の請求について】

前述の3号分割を請求するには平成20年の5月以降に離婚をするといった条件が必要になってきます。
標準報酬改定請求書というものがあり、これに必要な添付書類をそろえた上で年金事務所に請求することとなっています。
請求者本人の国民年金手帳をはじめ、住民票や戸籍の個人事項証明書などが必要になりますので請求する際には必ず準備しておくようにしましょう。

また3号分割だけではなく、合意分割も同時に請求する場合には、合意分割改定請求用の請求書のみを提出すればよいことになっています。
複雑な年金分割に関してわからないことは年金事務所に問い合わせをする他、離婚問題に詳しい弁護士さんなどに相談すれば詳しいことを教えてくれます。
離婚前の段階で、年金分割について必要な手続きを行っておかないと離婚してからでは年金分割そのものが難しくなってしまうことがありますので、焦って離婚を成立させてしまうのではなく、必ず財産分与とともに、年金分割についてもしっかり話し合いを行い、必要な手続きを済ませてから離婚を成立させるようにしましょう。

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