離婚成立とともに夫婦間での相続権も消滅する!

遺産相続というのはそれぞれのご家庭で千差万別の解決方法があります。
何のトラブルもなくスムーズに解決するといったご家庭もあれば、そうではないご家庭もありますが、これまでは他人として生きてきた男女が婚姻関係を結び夫婦になった場合には、ここに相続権が発生することになります。
そのためどちらか一方の配偶者が亡くなった際には、もう一方の配偶者が相続人となり、これは法定相続人として最も近い立場、そして原則的に最も多くの財産を受け取る立場になります。
例え遺言書が残っており、配偶者よりもその他の人物に多くの財産を残すと書いてあっても配偶者の場合には法定相続人になりますので、最低限遺留分を受け取ることができます。
上記の通り夫婦は配偶者との間で権利を持っているのですが、この夫婦が離婚する際には財産について相続権はどうなのかをご存知ではない方もいるようです。

【離婚する際に共有財産はしっかり精算する】

離婚しても、それまで夫婦で築いてきた財産が残っているため離婚した後、元配偶者が亡くなった際には自分に相続権があると思っている人もいるようです。
しかし夫婦が離婚する際には財産分与を行う必要があり、結婚していた期間中、共有財産として扱ってきたものに対しては離婚する際にしっかりとキレイに清算することになっています。
また、離婚成立とともに夫婦間での相続権も消滅することになります。

もっとも、相続権と言うのはどんなに長い期間一緒に生活をしていても婚姻関係を結んでおらず事実婚や内縁関係の場合には発生するものではありませんので、離婚して他人になれば相続権が自動的に消滅するのは当たり前のことになります。

【遺言書が残っていた場合】

離婚する理由はどうであれ、亡くなった被相続人が残した遺言者が中に離婚した元配偶者に対して財産を残すと言う内容が記載されていれば、この遺言書に基づいて、元配偶者も相続人になります。
しかしこのようなケースでは遺言書を誰が発見するのか、また公正遺言書として残っているのかに大きなポイントが集まりますので、こういった遺言書の存在を元配偶者が知らなければ、自分に相続権があることを知らないままとなります。
公正遺言証書として残されていれば元配偶者の指定によって遺言書に基づき、相続権を得ることになります。
そうでない場合には基本的に前述の通り離婚と同時に相続権もなくなるものですので覚えておきましょう。

また離婚する際に、将来元配偶者が亡くなった際の財産を想定し、その部分までを財産分与の対象にすることはできません。
退職金や年金については、夫婦が離婚する際の財産分与の対象になりますが、離婚後に元配偶者が築いた財産については相続権を持ちません。
そのため離婚した直後、元配偶者が宝くじを当てて高額当選をしたなどといったケースでもこれに対して、もう一方の元配偶者が財産分与を請求することはできません。

【子供がいる場合の離婚と相続権】

ご夫婦が離婚する際には前述のとおり、原則的に相続権が消滅するものになりますが、子供がいる場合には親子の相続権は離婚によって消滅するものではありませんから、例え世帯が離れて親権者とならなくても子供の持つ相続権には変わりはありません。
そのため、例えば妻側が子供の親権者になり子供と一緒の生活をしながら離婚後の生活を送っていく中で、父である元夫が亡くなった際には妻に相続権はありませんが、子供には相続権があります。
子供の相続権は実子をはじめとして、養子縁組を行っている場合などにも同じ扱いとなります。

【再婚した夫婦が離婚した後の相続権】

近年では離婚する夫婦も非常に多くなっており、お互いに離婚歴を持ちながら新たに再婚するといった工夫も増えてきています。
再婚する際にどちらか一方の連れ子がいる場合ですが、妻側に連れ子がいて夫側が連れ子と養子縁組をした場合には、婚姻関係を結んでいる最中に夫が亡くなると、養子縁組をした息子は実子としての扱いになりますから、相続権を持ちます。
ただし、離婚する際に、養子縁組を解除して別々の籍を作り離婚後の生活を送って行く場合にはそもそも実子としての扱いではなくなっていますので、子供の相続権はありません。

離婚後の相続権について勘違いをしていると離婚する際の財産分与を軽く考えてしまうこともありますので、夫婦の間には離婚後の相続権が成立しないことをしっかり意識しておかなくてはなりません。
しかしこういった内容から離婚する際に、将来の財産について遺言書を書けなどと、配偶者を脅かしてしてしまい無理やり遺言書を作らせたりすると法律違反違反となってしまいますので、絶対にこのような言動は避けなくてはなりません。

また、婚姻期間中、配偶者の親族が亡くなったなどという場合であっても基本的に自分の両親でなければ、相続権を持つことはできません。
例えば、夫の父が成人遺言書を残しており、義理の娘となる妻にも財産を分けると言う内容が記載されていても、夫と妻が離婚することによって夫婦関係が開始され、夫の父が残した遺言書の内容に基づいて財産分与が行われるかどうかは専門家の意見を聞いてみなければわかりません。
あくまでも生前、父は息子夫婦が今後も婚姻関係を続けていくことを前提に義理の娘に対しても、世話になったからと財産を残すつもりで遺言書を作っているケースがほとんどですので、夫婦が離婚する際には配偶者の父母が亡くなった際の財産分与には携われないと思っていた方が良いでしょう。

離婚と同時に相続権は消滅するものですから欲をかかず、スムーズな解決のために慰謝料や財産分与については双方で冷静な話し合いができるように心がける必要があります。

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