子供が複数いる場合の親権問題は複雑化する傾向に

子供が1人いる状態での離婚に関してどちらが親権者になるかという部分で調停や審判になるご夫婦もたくさんいるのですが、複数子供がいる状態で離婚する場合には親権はどうすれば良いのかが、さらに複雑になります。
基本的には兄妹を引き離して生活するというのは非常に子供たちにとって辛いことですから、どちらか一方が複数の子供を引き取ると言ったケースが多いのですが、状況によってはそれぞれに親権を持つこともあります。

例えば、高校生になる長男はこれから大学受験を控え自分の意思もあり、父親と一緒に生活することを選んだため、父親が親権者になったが、小学生である妹はまだお母さんのもとを離れて生活するには厳しく父と兄との男所帯で生活していくには精神的にも大きなダメージがあると判断され、母親が親権者になるなどのケースがあります。
とはいえ、母親が親権者になるケースが多いのは、父親がふさわしくないと判断されているのではなく、そもそも小さな子供は母親と一緒にいる方が子供の生活環境も安定したものとなっており、子供の母親の愛情を強く求めることから判断されています。

しかし親権者になるためにはある程度基準がありますので、特に複数の子供を一度に引き取って親権者になりたいといった場合には状況をしっかりと整える必要があります。
具体的な内容としては

  • 子供を引き取った後、継続してしっかりと看護することができるか
  • 病気などもなく離婚する際に健康状態が良くアルコール中毒や薬物中毒などの心配もないこと
  • 子供とコミュニケーションをとる時間がしっかり取れること

などが挙げられます。

これに加えて、子供の気持ちや子供の置かれている状況などもしっかりと考慮した上で親権を決めなくてはなりません。
子供が複数いるからといって、夫婦がそれぞれに親権者となり、子供が別々の生活するようになってしまうと、子供に対してのダメージは夫婦が離婚する以上に大きなものとなります。
兄妹が会えなくなってしまうのも子供にとって非常に辛いことですが、どちらか一方の親に会えなくなってしまうことも大きなダメージですから、ここでの面会交渉などに関してもしっかりと行っておかなくてはなりません。
また子供同士が自由に行き来ができるような状況を整えるのか、その場合にはどこで行き来をするのか等に関しても、離婚をする際に取り決める必要があるでしょう。

こういった細かな内容までをしっかり決めておかないと、面会交渉を無視してどちらか一方の親が子供2人と過ごす時間が多すぎるなどと、あとでトラブルになります。

【親権者の変更について】

複数の子供がいる場合には、別々に親権を取った場合であっても後から親権者変更を行うことができます。
もちろん簡単にできる事ではありませんが一方の親権者が海外に長期転勤をしなければならなくなったというケースや、病気になってしまったため、子供を監護するのが難しいと言うケース、その他にも親権者になって子供を引き取ったにもかかわらず、離婚後には子供の監護をしっかりと行わずネグレクトの状態になっていたなどのケースでは、もう一方の親権者が複数の子供の親権者になることもできます。

【養育費の支払いに関して】

夫婦それぞれに複数の子供の親権を引き受けた場合ですが、養育費について取り決めはとても難しい部分となります。
基本的には経済力のない側に対して経済力がある側が養育費を支払うことになりますが、お互いに子供を引き取って親権者になるといった場合には経済力がある側から経済力のない側に支払われる養育費そのものが少なくなる傾向にあります。

また親権者を決める際には、経済力ばかりが重視されるわけではなく、前述の通り様々な基準から考えられるものですから、絶対的に経済力のあるほうが複数の子供を引き取り親権者になれるわけではありません。
また基本的には母親が親権者になるケースがほとんどですが例外もあり、例えば母親自身に有責事由があったというケースや、有責事由がなくても夫が有責事由を作ってしまい、それによって母親である妻が重度の精神病を忘れてしまったなどの場合には父親が複数の子供の親権者になるといったケースもあります。

【どうしても子供を引き取ることができない場合】

夫婦それぞれの離婚後の経済状況などを考慮した上で親権者が決まらなかった場合には調停や審判で決まることになります。
この際、離婚後の生活がどうしても厳しいものになってしまうため親権者となって子供引き取ることができない場合にはどのような事情があるのかをしっかりと説明した上で事実関係を調査し、親権そのものを辞退することが可能になっています。
ただしそのためには長期間の海外転勤などをはじめとして、病気もしくは犯罪によって服役しなければならないなどという重大な理由が必要になります。
そうでなかった場合には、やはり子供の生活状況などを考慮した上で夫婦それぞれが複数の子供に対し2人兄妹であれば1人ずつ親権者になったり、自分の意思をしっかりと持っており、自立していると判断される年齢の1人目に関しては父親が親権者、その他まだ幼い2人目3人目に関しては母親が親権者になるといったように非常に様々なケースがあります。

一概にモデルケースなどはなく、それぞれの夫婦な離婚原因や離婚後の生活、また子供の状況と気持ちをしっかり考慮した上で親権者を決めることになります。
こういった部分では子供が1人のご夫婦が離婚する場合も、複数の子供がいるご夫婦が離婚する場合も同じような部分から考慮され、最終的には決定することになっています。
協議で決まらず、調停や審判で親権を決める際には上記したような内容を意識しておくと良いでしょう。

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