親権の辞退はできるのか?その場合の養育費や相続権は?

子供のいる状態で離婚する際には必ず親権者を決めなくてはなりません。
これは民法818条で決められていることですので親権者を決めておかなければ離婚届が受理されません。
どちらが親権者を引きうけるのかという部分で夫婦がそれぞれに自分の意見を主張し合ってしまうと双方で親権を取りたいと争うケースがありますが、離婚する際に決まった親権について離婚後、手放したいと思う人もいるようです。
基本的には簡単に親権を手放すようなことはできないのですが、どうしても仕方がない事情があるときには親権そのものを辞退するといった形で手放すことができます。

【親権を辞退できるケース】

自分自身が一度親権者になったにもかかわらず、やむを得ない理由で親権を手放す時にはいくつかの理由が認められることになっています。
一度親権が決まると簡単には変更したり手放したりすることができませんが、子供の教育を考えた上で親権を手放さなくてはならないと認められる場合のみ手放すことができます。

  • 仕事によって長期間海外で生活をしなければならず、子供を転校させたりするには精神的なダメージや教育上のダメージなどが大きくなってしまうケース
  • 長期間の入院を必要とするような重病やその他にも日常生活に大きな支障をきたしてしまうほどの怪我や怪我による後遺症、または病気などを患ってしまった場合
  • 何らかの形で刑務所に服役しなければならないというケース

上記のようなケースではやむを得ない理由として親権を手放すことができます。
しかし親権を手放すからには、もちろん上記したような事実がなければなりませんので単純に子供の面倒を見るのが嫌だからと嘘をついて親権を手放すことはできません。
また、一度手放した親権に関しては、簡単に取り戻したりすることは非常に難しく調停や審判によって最終的には決定することになりますが、それでも一度親権を手放してしまった子供の教育上、再び親権者が変わるというのはあまり良くないと判断され、手放していた期間に子供が安定した生活をしているようであれば再び取り戻すことはできないと思っていた方が良いでしょう。

【親権を手放した場合どうなるのか】

自分が親権者でありながら、前述のような理由によって親権を手放した場合にはもう一方の親が基本的には親権者となります。
例えば妻が親権者となっている状態の中で、前述の理由によって親権を手放すと言うケースでは、父親になる元夫が親権者になるのですが、これには条件があり、夫側の環境として子供の教育にふさわしくないと判断されれば必ずしも親権者になれるわけではありません。
もともとの親権者が親権を手放す際には家庭裁判所に申し立てを行わなくてはならないのですが、この際に親権者変更も同時に行うことになります。

そこで、もう一方の親が親権者にふさわしくないと判断されることになれば国が親に代わって親権者となります。
とはいえ子供が自動的にどこかに連れて行かれてしまうなどということはありませんが、それでもこれまでは親権者でなく上記のケースでは今後親権者になるである事がふさわしくないと判断されると、同居して子供と生活をするのが難しくなりますので子供は施設等に預けられ、国が世話をしながら成長していくことになります。

【親権を手放した後の養育費について】

子供を引き取って一緒に生活をしていくことを条件に相手から養育費をもらっている場合には親権を手放すと同時に養育費の受け取りもなくなります。
ただしこれに関しては財産管理権ではなく、監護者として親権とは違った部分で病気や などを抱えていながらも、子供と一緒に生活をしながら、監護権を行使していくというのであれば双方での話し合いによって養育費が支払われることもあります。
このような部分に関しては状況によって養育費の扱いが変わってくるのですが、監護権のみを残し真剣そのものを手放すということは前述の通り、それなりの理由がありますから子供と同居しながら生活をしたり、周辺の世話をするというのも難しい状況になり、一般的には養育費の支払いもなくなることになります。

妻が親権を持っていて夫が養育費を支払っていたというケースでは、妻が親権を手放すことによって基本的には夫が親権者となりこれまで夫が支払っていた養育費の支払いもストップすることになります。
夫が自分の手元で子供を育てていくことになりますから、妻に対して子供に関する費用を支払う必要はありません。

【親権を手放した場合の相続について】

将来的に自分の財産を子供に分けたいと思っていても親権を手放すことによって、子供が相続人ではなくなってしまうのではないかと心配する人もいます。
しかし親権がなくなっても子供と親の関係が切れるものではありませんから、子供は法定相続人として、親の財産も受け取れる立場にあります。
こういった部分では親権の有無に関わらず自分が被相続人となった場合には、子供が法定相続人として財産を受け取ってくれますので、安心すると良いでしょう。

複数の子供がいるなどの場合には遺言書を作成しそれぞれの子供に対してどれだけの財産を残すのか、細かく指定しておくとさらに安心感が大きくなります。

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