離婚後の戸籍についての様々な選択肢

離婚することによって、それまでは同一の戸籍にいた夫婦がそれぞれ個別の戸籍を持つことになります。
一般的なケースでは、婚姻期間中は夫の戸籍に妻が入り夫の姓を名乗っているということがほとんどですが、離婚する際に夫の戸籍から妻が抜けて、妻は妻で自分の戸籍を持たなくてはなりません。
離婚することによって、夫の戸籍から妻の戸籍そのものが除籍されますから、離婚届を提出する際に妻はこれまでの婚姻期間中と同じ姓を名乗るのか、それとも旧姓に戻るのかについては選択肢に記述しなければなりません。

【離婚後の戸籍の扱いについて】

離婚後の妻の戸籍に関しては三つの方法があります。

  • 結婚前の旧姓に戻って父母などの戸籍に戻る形
  • 旧姓に戻るものの、自分が筆頭者となり、新しい戸籍を作る形
  • 婚姻期間中と同じ苗字を使用して新しい戸籍を作る形

この三つの中から選ぶようになっています。
旧姓に戻り、両親の戸籍に戻るというケースでは本籍地そのものの両親と同じになりますが、そうでなかった場合には、自分で新しく戸籍を作り、本籍地も決めなくてはなりません。
ここでの本籍に関しては細かな取り決めがありませんから、離婚後に生活を始める場所を本籍にすることも可能になっています。
極端な話、本籍地に関しては特にどこでも問題がないため自分の好きな土地を本籍にすることも可能になっています。

【そもそも戸籍とはどんなものか】

離婚する際をはじめとして、その他にも戸籍謄本などが必要になりますが、この戸籍というのがそもそもどんな存在なのかというと、国民のすべて一人一人の情報をしっかりと管理している情報ということになります。
出生から死亡までの相手にどんなことがあったのかを一つの情報として登録しているものになります。
近年では、コンピュータによる磁気データを作って管理されていますが、このデータを引き出して移したものが戸籍謄本と言われています。
出生から婚姻をはじめとして、離婚に関してはもちろんその他にも出産などについて、そして最後には死亡に関しても全て戸籍に登録されている内容となっており、コンピュータなどによって管理されているデータは戸籍記録の全部事項証明書と言う扱いになっています。

【婚姻期間中の姓を名乗っていくには】

婚姻期間中には自分の旧姓ではなく、夫の姓を名乗るというケースがほとんどですが、離婚する際に婚姻期間中と同じ姓を名乗っていく場合には、離婚が成立してから3か月以内にもしくは離婚届を提出する際に手続きをする必要があります。
これは民法767条で決められている内容となっており、戸籍法77条の2でも定められている内容です。
この手続きに関しては特に相手側の許可など必要ありませんから、ご自身が署名をして印鑑を押すといった手続きになっています。

3ヶ月を過ぎてしまった場合には家庭裁判所に氏の変更許可の審判を申し立てなくてはならず、この申し立てを行った後、家庭裁判所から許可されることによって婚姻期間中と同じ姓を名乗ることができます。

【子供の姓と戸籍について】

離婚する際、父が親権者となり、これまでと同じ住所で子供の生活をしていくのであれば特に戸籍などに変更はありません。
あくまでも戸籍からは妻だけが除籍されるといった形になります。
しかし妻が親権者となり子供を連れて離婚する場合には、子供の戸籍も変更しなければなりませんので、母としては自分の戸籍を新しく作る必要があります。
ですから、子供を引き取って生活していくというケースでは旧姓に戻る場合であっても、実家の戸籍に戻るのではなく、自分が筆頭者となり、新しい戸籍を作る必要があります。

さらに子供の苗字が変わるというケースでは、子の氏の変更許可の申し立てを家庭裁判所に行う必要があり、ここで許可を得ることによってその後、市役所などに手続きをすることとなっています。
離婚する際には、子供の姓や戸籍まで自動で切り替わるものではありませんから、必ず親が手続きをしなければなりません。
家庭裁判所に対し、子の氏の変更許可申立を行ったあとは家庭裁判所からの許可審判書の謄本と子供の入籍届を市役所等に提出する必要があります。

ただし、この申し立てに関しては、あくまでも除籍された母が親権者となっており、子供を引き取って生活する場合ですので、母が親権者になっていなかったというケースでは受理されないものとなっています。
どうしても母が親権者になることができず、なおかつ母親の家を子供に住まわせるという場合には親権者である父がこういった内容に同意する必要があり、さらに父側から手続きをしなければ認められるものではありません。

また離婚する際に子供が15歳以上であれば、子供がどちらの姓を名乗るのかを自分で決めることができますので、氏の変更許可の審判申立等を行うことも可能になっています。
このケースでは母が親権者でなくとも子供が自発的に申し立てを行うことが可能になっています。

【離婚することで戸籍の表示はどうなるか】

離婚することによって、これまでの夫の戸籍から妻が抜けることになりますが、離婚が成立した日付をはじめとして、夫の戸籍から除籍という形で妻の籍の部分には×印がつけられることになります。
そのため、離婚をした後にはバツ1、バツ2などと言われていますが戸籍に×印で表示されることからこのような言葉の由来となっているようです。

しかし戸籍法施行規則39条によって幾つかに該当するケースでは離婚した内容そのものが引き継がれず、新しい戸籍を作り離婚したことがわからないようにする事も可能になっています。
例えば離婚した際にもともとの実家の戸籍に戻ったというケースで、その後自分自身が筆頭者となって新しい戸籍を作ったというケースや、婚姻期間中の戸籍はそのまま引き継ぎ生活をしていたが、本籍地そのものを違う市区町村などに移し、転籍を行ったというケースでは、新しい戸籍に離婚した内容までは引き継がれませんので書類をパッと見ただけでは離婚した事が分からなくなっています。

これに関しては自分にとってメリットと思う人もいるようですが、反対にこうした内容を利用して結婚詐欺が発生することもありますので、こういった部分については、他人の戸籍を見る際に注意しなければなりません。
もちろん自分自身の離婚歴に関しても、このような内容を悪用するようなことは避けた方が良いでしょう。

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