判決事例|近年の離婚理由で上位を占める「DV・モラハラ」

婚姻を継続し難い重大な事由の一つに配偶者からの肉体的な暴力や言葉での暴力または屈辱などが含まれています。
これはDV やモラハラと表される事があり、近年の離婚理由の上位を占める内容となっています。

以前は夫婦間で暴力などがあっても警察は民事不介入としていたため比較的軽視されていた問題ですが、平成14年の4月にドメスティックバイオレンス法が導入されたことによって、この施行からは警察もしっかりと対応するようになりました。
また暴力を振るわれている立場としても、警察に保護を求めることが可能になっています。

【暴力に含まれるもの】

実際にDV やモラハラとして暴力に含まれてくるものはどんなものかというと、

  • 気に入らないことがあると殴る蹴る、物を投げつけるなどの行為が繰り返し行われる。
  • 同居に耐えないほどの暴言や侮辱する言葉を日常的にぶつけられる
  • 性的な嗜好が違うものに対し、必要以上に強要することや、断ると暴力を振るわれる
  • 体にあざが残るほどの暴力を繰り返し振るわれる

などになっています。
そのため一度の喧嘩でカッとなってしまい配偶者の方に平手打ちを飛ばしてしまったなどの場合には、これだけでDV とはならずそうなってしまった理由が問われることになっています。

【実際の裁判例】

過去に離婚が認められたドメスティックバイオレンスの例として、夜間に仕事に出かけていることが朝方帰宅し、日中のうちに妻に対して性交渉を求めても、妻がそれに対して嫌悪感を抱き、日中の性交渉には応じなかった際に、夫が自分の欲求を果たすことができないとして、妻に対し殴る蹴るといった行為や家具を投げつけて怪我をさせるといった行為がたびたびあったとして、妻からの離婚要求を認めたケースがあります。

【今後の生活が脅かされるケース】

精神病を患っていた妻に対して直接身体的な暴力を振るったのはたった一度でありましたが、この一回の暴力が妻の今後の生活を脅かすものとなり、継続して暴力を振るわれるのではないかという恐怖感を抱かせてしまったという内容であっても、妻が離婚請求して離婚が認められたケースがあります。

【夫婦間でも犯罪になる】

DV やモラハラというのはどうしても夫婦間の中で行われていることですので許されるといった感覚をお持ちの方もいるようです。
しかし、例え夫婦間であっても、DV などというのは犯罪になることですので、当然ながら裁判が起きた時には暴力を振るった側に対し、厳しい判決が下る傾向にあります。
また暴力を振るわれたことやモラハラによって精神的ダメージが大きかったことに対し、慰謝料請求ができることも事実となっています。

【DVやモラハラで離婚するには】

DV やモラハラがきっかけで婚姻を継続しがたい重大な事由として離婚請求をするのであれば証拠が必要になってきます。
怪我をして病院に行った際には必ず診断書を残しておくことや、衣類などが破られてしまったなどのケースでも、こうした部分をしっかりと写真に残しておくと良いでしょう。
またモラハラに関しては簡単な日記のようにいつ何を言われたのかということを残しておくと良いです。

このような証拠を提出することによって離婚裁判では離婚請求をする側が非常に有利になります。
また実際に暴力やモラハラを行っていた場合であっても、言い逃れができなくなり離婚に応じざるを得ない状況となります。

【暴力が怖くて話が出来ない場合】

DV やモラハラなど、同居しているのがあまりにも辛い状況が続いてしまった場合には、これを理由に別居をしても悪意の遺棄にはなりません。
そもそもDV やモラハラと言う内容が婚姻を継続しがたい重大な事由になりますので、まずは別居することが重要になってきます。

また、別居するしないに関わらず、離婚について話し合いをすると相手が逆上してしまい、冷静な話し合いが出来ず必ず暴力を振るわれてしまうなどの場合には法定離婚に向けての話し合いを進めていく中で、まずは「配偶者暴力支援センター」や警察に相談し裁判所から保護命令を出してもらうと良いでしょう。

その際にも証拠が必要になりますが、この証拠を提出した後、保護命令が出ると同居している場合には同一住居からの2ヶ月の退去命令が出ます。
また6ヶ月間の徘徊禁止命令が出ますので、配偶者からの暴力やモラハラを受ける必要がなく、しっかりと守ってもらうことができます。

平成16年以降は配偶者だけでなく子供も対象になっていますので、お子様が暴力を振るわれている場合や、反対に子供から家庭内暴力で怪我をさせられるなどの場合も同様です。
こうした決まりに対して違反した場合には1年以下の懲役または100万円以下の罰金が決められています。

【妻からのDVやモラハラも増えている】

以前はDV やモラハラといえば夫から妻に対するものといったイメージが強かったのですが、近年では妻から夫に対しても暴力を振るわれていたり、モラハラを受けているなどというケースが増えてきました。
男性であっても女性であっても離婚裁判をする際には、同じように扱われますので妻から暴力を受けているといった場合やモラハラを受けているといった場合にも証拠を残し離婚請求をすると良いでしょう。

【明白な規定はない】

ドメスティクバイオレンスに対し、配偶者間の間で繰り返し行われていてもこれが完全に離婚の原因になるかどうかという部分は明確な規定がありません。
しかし「配偶者により同居し難い虐待または重大な侮辱を受けた時」を対象に、婚姻を継続しがたい重大な事由として認めていますので「民法第770条の1項5号」に該当することになっています。

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