判決事例|婚姻生活に悪影響を及ぼす「マザコン・実家依存」とは?

夫婦として一緒に生活する前の段階で同棲などをしていれば配偶者がこれまでどのように生きてきたのかということはある程度想像できます。
しかし実際には夫婦になって初めて分かることもたくさんあるでしょう。
そんな中、夫が極度のマザコンだったなどという場合には配偶者として妻が愛情を失ってしまい離婚したいと思うこともあります。
このような場合には、協議離婚をしようと話を持ち出しても、夫や夫の母親などが離婚には応じず、うまくいかないケースもあり、最終的には法定離婚へと持ち込まれるケースも少なくありません。

ただし法定離婚に持ち込まれた際に夫がマザコンだったというだけでは法定離婚原因にはならず、簡単に離婚を認めてもらうことはできません。
法定離婚をする際には民法で定められている「民法第770条の1項」。ここに該当する婚姻を継続しがたい重大な事由が無ければ認められなければなりません。

【離婚判決になるマザコン例】

単純に配偶者として妻が夫マザコンだと思っているだけでは法定離婚の際に認められるケースが少ないため、どれだけ夫婦での婚姻生活に影響を与えているかということか大きなポイントになってきます。

  • 寝室があるにもかかわらず妻とは別に母親と一緒の寝室で毎晩寝ている
  • 妻の作ったお弁当を持って行かず母親の作ったものばかりを持っていく
  • どんなときでも母親の味方ばかりをして妻の言い分を聞き入れない
  • 母親と一緒にお風呂に入る
  • 母親に洋服を着せてもらったりその他に身の世話をしてもらっている

などのように、常識で考えれば到底考えられないような事実があって初めて婚姻を継続しがたい重大な事由に該当してきます。
そのため、単純に妻が自分より母親を優先していると感じているだけでは離婚が認められないことになります。
自分の両親を大切にするというのは非常に重要な部分であり、ただ単純に夫が夫の母親と仲良くしていることに妻が嫉妬をしているのであれば婚姻を継続しがたい重大な事由とはなりません。

さらに、妻が姑に対して嫌がらせをしたり、虐待をするなどの事実があれば、妻側に悪意の遺棄として有責事由が認められてしまいます。
そのため、前述の通り、個人的にマザコンだと思っているだけではなく実際の婚姻生活に大きな支障があり、それによって夫婦間での愛情が失われ、今後の婚姻生活を続けていくのが困難だと思われるケースで法定離婚が認められます。

【妻の実家への依存も同様】

夫がマザコンだというだけではなく、妻がいつまでも実家離れをせず頻繁に実家に帰って自宅に戻らないなどといったケースであっても夫婦としての婚姻生活が非常に厳しくなってしまうため、こうした状況が続けば続くほど、婚姻を継続しがたい重大な事由になってしまうことがあります。
子供を連れて実家に帰っても夕方には自宅に戻り、夫婦としての生活が送れるようであれば問題ありませんが、自分ばかりが実家に戻り、実家で夕飯を食べていて夫や子供の夕飯は作らないなどの場合には法定離婚をする際に離婚判決が下ることになります。

【夫が離婚に応じずつきまとわれる場合】

前述のとおり常識では到底考えられないほどのマザコン夫で愛情もなくなり離婚をしたいと切り出していても、夫が離婚には応じてくれず、なおかつ影響している中で夫に付きまとわれて困っているなどの場合には実際に離婚裁判を行っている最中ですので、ストーカー保護規制法案に助けてもらうことができます。

警察に相談した上で保護してもらうことが可能ですのでこうした部分も検討していかなくてはなりません。
また離婚を切り出したことによって男側の姑から嫌がらせを受けていたり、侮辱されるなどの場合には、こうした理由も婚姻を継続しがたい事由に該当しますので専門家に相談することをお勧めします。

こうしたことは離婚問題に詳しい弁護士さんに相談するのが1番となっており、実際に法で裁判を行う際にも弁護士さんにどんな内容を相談していたのか、またいつから相談してたのかなどといった部分にも注目が集まるため、とても助かります。
できれば法廷裁判を起こす前の段階で、夫のマザコン度をしっかりと明白にできるように日々の生活状況などをノートにまとめておくことも必要になります。
本来であれば夫婦で話し合い決めなくてはならないことを夫が一方的に自分の母親にばかり相談し、勝手に決めてしまうなどというのも婚姻を継続しがたい重大な事由に該当しますので、このようなケースも全てノートなどにまとめておくと良いでしょう。

ただしこのようなマザコン夫というのは、あくまでも夫の場合を例に挙げましたが、妻が同じ状況であっても夫側が離婚裁判を起こすことが可能になっています。
夫婦には民法上、「協力義務」、「同居義務」、「扶助義務」がありますので、こうした部分を度外視して自分の母親ばかりを大切にしていたり、配偶者を含め、自分の家族をしっかりと大切にすることができなければ夫婦としての義務違反に該当しますので裁判でも離婚が認められることがほとんどです。

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