判決事例|介護疲れも原因になり得る?「熟年離婚」について

婚姻関係を結ぶ夫婦というのは、一生添い遂げられるといった誓いの元に婚姻関係を結びますが、実際に結婚生活が始まってしまえばその通りではありません。
長年夫婦関係を続けているうちに双方での不満が募ってしまったりすることによって、熟年離婚をする人々も増えています。

厚生労働省が発表している情報によると、平成24年には婚姻関係35年以上の夫婦のうち、5922件ものご夫婦が離婚していることが分かっています。
それまで夫婦関係を続けていてなぜ、熟年夫婦になってから離婚するのかというのはそれぞれのご夫婦によって理由がありますが、協議ではなく法定離婚する際の離婚理由としては民法770条に基づいたものというのは変わりません。

  • 配偶者の不貞行為
  • 配偶者の悪意の遺棄
  • 3年以上配偶者の生死不明の状態
  • 家族の見込みがない強度の精神病
  • 婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

になっています。
特に熟年離婚などの場合には今後も継続し難い重大な事由があるときに該当するケースがほとんどになっています。
もちろんその他に配偶者の不貞行為などもありますが、主には性格の不一致や、その他にも複数の理由から年齢を重ねてご夫婦がこれから先、自分の人生をもう一度やり直すと言った理由や耐え切れなくなったなどという理由で離婚に踏み切るケースが多くなっています。
主に熟年離婚をする方々の直接的な原因がどんな事かを取り上げてみましょう。

【価値観の違い】

これまで連れ添ってきた夫婦であっても、長年にわたり価値観の違いがあると今後の生活において不安を感じるのは当然といえます。
価値観が違っていながらも今後一生、同じ生活を続けていくのが難しいということで離婚に踏み切るケースがあります。

【性格の不一致】

ある程度までは我慢していても結婚当初から騙してきた場合には、長生きの人の中で我慢できなくなってしまい、限界を迎えることになって離婚に踏み切るといった人々がいるようです。
ある程度までは相手の意見や性格を尊重し許すことができていても、これ以上は許せないという限界を迎えた時点で自分の人生を考え直し、やっぱり離婚した方が良いという結論に至るようです。

【姑問題や姑問題、その他の介護疲れ】

姑問題や姑問題というのはそれぞれのご家庭で抱えているかもしれませんが、その中でもソリが合わないだけではなく、長年にわたってずっと我慢をしてきているにもかかわらず関係が修復されずに我慢できないといったケースや、配偶者の両親の介護に疲れてしまい肉体的にも精神的にも限界を迎えてしまったなどと言うケースがあります。
それまでは円満に見ていた夫婦であっても配偶者の両親の介護が予測されるケースで突然離婚を切り出すのをと言うこともあります。

【一緒にいてもほとんど会話がない】

ある程度夫婦として長い期間一緒に過ごしていれば、結婚当初ほど会話はありませんが、そうではなく極端に会話が無い状態が続いており、同じ家の下で暮らしていてもお互いに自由気ままな生活をしていたり、妻が夫に対し様々な話をしたいと思っていても夫がまともに相手をしてくれないため、妻はいつも寂しい思いをしていたり孤独な思いを感じてしまうといった理由があります。

【浪費グセや借金】

生活に支障がない場合や、ある程度生活ができる程度の中での浪費や借金であれば大きな問題ではありませんが、生活を圧迫してしまい、話し合いをしているにもかかわらず改善してくれないなどの場合には夫婦として生活をしている意味を感じなくなってしまい離婚に踏み切るケースがあります。

【家庭を全く顧みない】

会社勤めなどをはじめとしてほとんど家にいることがなく、例え休みで家にいても家庭を顧みず子供の相手をしなかったり、家事などは一切手伝ってくれないなどといった生活が長く続くと、妻側としては限界を感じてしまい自分が家政婦のように思えるのなどの理由から離婚を考えることがあります。

【肉体的な暴力をはじめとして、モラルハラスメントと呼ばれているような精神的な暴力】

近年では熟年離婚に限らずDV やモラハラなどは非常に多くなっていますが、長年一緒にいる中で夫にとても傷つくような言葉を言われ続けてしまったり、肉体的にも暴力を振るわれてしまい一緒に生活することが困難になるケースや、一緒の生活に不安を感じてしまうといったケースでは離婚に踏み切ることがほとんどです。

【配偶者の不貞問題】

これに関しても、熟年離婚に限った事ではありませんが、今後の婚姻を継続しがたい重大な事由としてではなく、不貞行為そのものが法定離婚の大きな理由になっています。
子供が小さい頃は一生懸命家庭の事をやってくれていた夫が、子供が大きくなり自立したことになって不貞行為を行ったなどの場合にも離婚に至るケースがあります。

【気持ちの中で他に好きな人ができてしまった】

肉体関係を結んだわけではなく、単純に心の中で思っているだけであっても配偶者以外に好きな人ができてしまい、配偶者に対する愛情が冷めてしまった時は離婚に踏み切る夫婦がいます。
近年ではインターネット上でも新しい出会いを求めることなどが可能になっているため、こうした理由から配偶者に対しての愛情が冷めてしまい、離婚に踏み切るケースがあります。

上記のように熟年離婚にも様々な理由がありますが基本的には長い結婚生活の中で、これから先、婚姻を継続しがたい重大な事由に該当する場合は民放で離婚が認められています。
また熟年離婚をする場合には、それまで夫婦共同で残してきた財産をどうするかなどについて話し合っていかなくてはならず、円満な解決が難しいケースもありますが、実際の裁判では上記したような理由が本当に長年続いている状態でなければ簡単に離婚が認められず、改めて双方での努力が必要だといった判決になる事も多いようです。

【離婚できなかった例】

夫が愛人を作ったことによって夫婦関係がうまくいかなくなり、さらに妻には子供ができない状況の中、夫は愛人との間に子供を作りこうした事実が明るみに出たことによって妻は精神的にも大きなダメージを受け、最終的には家庭内で包丁振り回して暴れるような状態にまで追い込まれてしまったケースがあります。
身の危険を感じた夫が愛人宅に転がり込み、夫婦としては破綻している状態を続けている中で離婚請求を行った裁判では、こうした裁判の中、離婚を認めてしまうとあまりにも妻に対して踏んだり蹴ったりな結果となってしまう。
必ずしも妻が荒れる行動をとるようになったのは妻が仮に原因があるわけではなく、夫にも大きな原因があるとして離婚は認めませんでした。

…やはり長い婚姻生活の中で双方に原因があると判断される事も多々あり、裁判ではどれだけ夫婦関係が破綻しており、婚姻生活の継続が困難かという部分に焦点が集まるようです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です